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Sweet Cafe TOPアルザス便り>vol.3「le beignet」

vol.3 「le beignet」

みなさん「ベニエ」(le beignet)というお菓子を知っていますか?

beignet を辞書で引いてみますと、「衣あげ、フリッター(果物・野菜・肉などの衣をつけた揚げ物)」とあります。つまりは揚げ物のことを指すようなのですが、お菓子だとつまりはドーナツになります。

最初私がフランスに来たとき日本で言うところのアンドーナツの中がジャムバージョンのものがベニエと売られていたので、ずいぶん長いことそれが「ベニエ」だと思っていたのですが「ベニエ」と呼ばれるものは様々あるということを最近になって気づきました。

そのベニエですが最近良く売られています。
というのもカルナバル(Carnaval カーニバル)の時期はベニエを食べる習慣があるそうなのです。

カルナバルの時期というのは公現祭(Epiphanie)からマルディ・グラ(Mardi-Gras )にかけての期間をさすそうです。

ちなみにマルディ・グラはカレーム(Careme)前の火曜日で、カレームは復活祭(Paques)前の46日間のことを指すそうなのです。

カレームの期間は少ししか食べらないので、カレームに入る前日、このマルディ・グラの日にたくさんごちそうを食べるそうです。

 

ベニエもこの日に食べるらしく、この日のブーランジェリーの張り紙に「今日はマルディ・グラです。ベニエを食べましょう」と書いてあったのを見かけました。

( 写真右:リヨンでよく売られていた油で揚げたお菓子です。これはベニエとはちょっと違うかもしれませんが。)

どうしてこの時期にベニエを食べるのか聞いてみたのですが理由はないそうです。トラディショナル・伝統的なものだとおっしゃっていました。

(写真下:近所のブーランジェリーのショーウインドーです。カルナバルの扮装らしいです)


北部(リールの方)出身のマダムいわく、彼女の故郷にはこの時期にベニエを食べる習慣はなく、アルザスに来て初めて目にしたそうです。

しかしベニエは普通に売られているそうです。(他の方のホームページで南仏の方やドイツの方でもこの時期に食べるというのを読んだことがあるので、もしかしたら、フランスでは東部から南部にかけてこういう習慣があるのかもしれません。)

ちなみにドイツでポピュラーな「ベルリーナ」というジャム入り揚げドーナツと同じものがストラスブールでも良く目にし、ベニエとして売られています。やはりドイツが近いからではないのでしょうか?

 

私の持っているアルザス料理の本にはカルナバルのベニエとして主要な3種類が紹介されています。

コンフィチュール(ジャム)入りのもの。
 これはイーストで膨らましています。
ぺ・ドゥ・ノンヌ(Pets de nonnnes)
 シュー生地を揚げたもの。
キュイス・ドゥ・ダム(Les cuisses de dames)
 アーモンドプードルが入った小さめのドーナツ、といったかんじのものです。

お店ではジャム入りか、同じイースト生地のプレーンのものが主流ですが、たまに他の二種類のベニエが売られていたりします。(写真右)


ベニエは2月中は売られていると聞いたので、終わるうちにもっと食べておかなくては・・・
 

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