今回は福岡では16区と同様有名な洋菓子店ジャックのお菓子です。また福岡にいる兄に送ってもらいました。
包装紙は正面
がつやのあるもので、少しベージュがかった白にジャックのJがデザインされていました。リボンは赤色でお店のロゴとクグロフの絵が印刷されていて、全体的にかっちり・しっかりとした雰囲気がでていました。箱は真っ白で、ふたと下の箱の左部分がリボンでつながれており、ふたを開けたまま固定できるタイプのものでした。箱を開けると、お菓子は半透明の薄い紙で覆われていて、この紙はお店のロゴの書いてある金色のシールでとめられていました。そういう風に覆われていると中に入っているお菓子は大事にされていてかつ高級感のあるものという印象を与えるのではないかと感じました。
焼き菓子の内容は、マドレーヌ2種類・フィナンシェ・フルーツケーキ・イチジクのケーキ・リンツァートルテ(のようなクッキー)・ガレット・チョコレートのクグロフ・アーモンド入りのチョコサブレ・シナモンサブレ・四角いサブレ(名前はわかりません。)・メレンゲ菓子・レーリュッケンの13種類でした。
すべてのお菓子は透明なセロハンに入れられて、焼き菓子にはシリカゲル(乾燥剤)、半生菓子にはエージレス(脱酸素材)がついていていました。特別
にシールを貼ったりという包装はありませんでした。
箱を開けて思ったことは、ずいぶんシックでクラシカルなお菓子だなということです。焼き色はしっかりとつけられていて、飾りげのないものばかりでした。
焼き菓子の中で一つこれはなんだろう・・?と思ったものがあったのですが、楕円形のチョコレートクッキーらしいものが入っていたのです。食べてみると、チョコレートのクッキーの生地に香辛料とナッツが入っていて、中心にはラズベリージャムが入っていました。これはオーストリアのリンツ地方の伝統菓子であるリンツァートルテという焼き菓子をアレンジしたものみたいです。リンツァートルテはチョコレートの苦みと、シナモンのスパイシーな味と甘さを引き立てる香りと、ラズベリージャム(またはレッドカラントジャム)の酸味の3つの要素が絶妙なバランスで組み合わされていて、それをナッツのこくと香ばしさで全体をまとめているとても歴史のある焼き菓子です。いろんな形でアレンジされていますが、今回のジャックでも一つの小さい楕円形の焼き菓子にアレンジされていました。
フルーツケーキとイチジクのケーキはどちらともお酒が効いていて、大人向けでした。とてもしっとりとして口溶けがよかったです。イチジクは干したもので、種がプチプチとしていて食感が楽しめました。フルーツケーキにはおきまりのまっ赤なドレンチェリーが入っていました。私はこのドレンチェリーとアンゼリカがどうも好きではないのですが、フランスでは好んで食べられるものなのでしょうか?ちょっと日本人には色といい甘さといい強すぎるように感じます。
マドレーヌは定番の貝型のものと、楕円形のものがありました。貝型のものは卵とバターの風味が懐かしさを感じさせる素朴な味で、もうひとつはレモンの風味をきかせたものでした。貝型の方が少しぱさついているようでした。
チョコレートのクグロフは濃厚でしっとりしたガトーショコラのような味で、程良い苦みがありました。濃厚だけれども口のなかですっと溶けていき、重さを感じることはなかったです。
メレンゲ菓子はメレンゲにアーモンドを入れて、低温でしっかりと焼かれてキャラメリゼされていました。
とても堅くて、ガリッとした食感でした。中に入っているアーモンドが非常に香ばしくてこくがありました。このお菓子は甘さとこくと香ばしさが強く感じられ、コーヒーにとても合いそうです。
あと、レーリュッケンというバターケーキがあるのですが、アーモンドが多く入っているためなのか(アーモンドプードルやローマパン)思っていたよりも非常にしっとりしていてこくがあったのでびっくりしました。こういう半生菓子のタイプのものは、たまにぱさついて口の中でもさもさするものがあるのですが、これだけしっとりしているととてもおいしいです。
全体的にここの焼き菓子はしっかりと焼かれていて香ばしく、甘みとこくがストレートに感じられるものでした。鮮度もよく、半生菓子は特にしっとりとしていました。
ラッピングはシンプルで色もほとんど使っていませんが、箱や紙などの素材で高級感と堅実なイメージを出していました。お菓子と包装どちらともみると、フランスで修行してきた男の人がプロとしてお菓子を作っているということが伝わってきます。
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