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【歴史】
16世紀にSaint-Pierre修道院によって作られました。
bugneビューニュについて最も古い文献は1538年に存在していて、「こぶ(bosse)」を意味する“buigne”という古いフランス語から派生したそうです。
この頃の材料は水・小麦粉・ビール酵母のみで生地を作っていたが、19世紀末にはこれにバターと卵が加わります。
【Mardi gras(マルディ・グラ)】
ビューニュはマルディ・グラと関係があります。
mardiは「火曜日」、grasは「脂」で、「肥沃な火曜日」という意味です。(この日は謝肉祭の最終日にあたります。)
この日からイースター(復活祭)まで40日間肉食を断つ生活をするために食べ収めをするというカトリック行事の一つですが、今では宗教的な意味合いはなくなってきているそうです。
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マルディ・グラは毎年2月の火曜日に行われるのですが、年や地方によって日程に変動があるようです。
今年(2008年)は2月5日でした。
一般的にこの日にフランスではクレープを食べる習慣がありますが、リヨンではクレープのほかにもこのビューニュも食べます。 マルディ・グラが近くなるとパティスリーやブーランジュリー、スーパーではビューニュが並び始めます。
ビューニュは、ドーナツのようなふわふわの生地のものと薄い生地のものの2種類あります。 研修先では主に薄い生地のビューニュを作っていました。一般的な厚さは1〜2mmですが、研修先では1mm以下の厚さにとても薄く伸ばします。
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▲リヨンの研修先のビューニュはかなり薄く伸ばした生地。 |
他の店ではマルディ・グラの時期にしか作らないようですが、研修先のスペシャリテでもあるビューニュは夏以外は毎日作り、マルディ・グラの前は毎日大量にビューニュを作ります。
ドーナツ状の揚げ菓子はフランス各地に存在していて、bugne(ビューニュ)はリヨン特有の呼び方で、他の地方では「Merveilles(メルヴェイユ)」、「Oreillettes(オレイエット)」や「Beignet(ベニエ)」など様々な呼び方があります。
生地自体には甘さを抑えめにし、出来上がりに粉砂糖を多めにふりかけます。
※アルザス便りでは謝肉祭とベニエについて紹介しています。
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マルディ・グラ直前の厨房の様子。この3倍量作っていました。▲ |
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