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vol.004 ヴァンドゥース

パティシエに憧れる若者は年々増えている。しかしパティスリーで必要とされるのはパティシエだけではない。「ヴァンドゥース」という職業がある。ヴァンドゥースとは、「販売・接客のプロフェッショナル」のことを指す。実は、ヴァンドゥースの存在は非常に重要な役割を果たしている。
今回は、東京自由が丘のパティスリー「モンサンクレール」でヴァンドゥースとしてご活躍の鎌田御規子さんを紹介。


大学時代は、栄養学を学んでいました。その当時は「食に関わる仕事がしたいな。」と漠然と考えていたくらいでした。

以前からお菓子作りは、趣味のひとつでした。自宅でよく作ってましたね。
そうしているうちに「お菓子作りを趣味で終わらせたくない。プロとしてのお菓子を作れるようになりたい!」 という気持がだんだん大きくなってきたんです。

だから大学時代は、普通に就職するか製菓の道に進むか悩みましたね。結果としては、製菓の道を選んで卒業後はバンタン製菓学校に入学し、製菓の勉強をしました。

モンサンクレールは、実は私の母親が「素敵なケーキ屋さんがあるわよ!」と教えてくれたお店でした。実際私も足を運んだところ本当に素敵なお店で、「ここで働きたいなぁ!」と純粋に思いました。

そんな憧れの気持もあって、専門学校を卒業してからモンサンクレールでパティシとして働きたいというアプローチをしました。でも同じようにパティシを目指す人が多かったので、最初からパティシとして働くことは無理でしたね。

それでも大好きなお店だったのでどうにかして働きたいと思い、アルバイトとしてヴァンドゥース
の仕事をさせてもらいました。

そして販売の仕事をしながら、「いつかは製造の仕事をしたい。」という強い気持がありました。
しかし、なかなか機会に恵まれなかったことと、早く製造をしたいという焦る気持ちもあって実は一度辞めた経緯があるんです。

氏名 鎌田 御規子(かまたみきこ)
年齢 29歳
職業 ヴァンドゥース

23才

大学卒業後、製菓学校で1年間学ぶ。
23才〜
24才
モンサンクレールでアルバイトとして1年半勤める。
25才 レストランでパティシェとして勤務。
26才 モンサンクレールに入社
29才 現在モンサンクレールヴァンドゥースの責任者を務める
モンサンクレールのHPはこちら


その後、レストランで念願の製造の仕事に就いたのですが、あれだけ希望していた製造の仕事なのに、何故かしっくりこなかったのです。

そこで、初めて「私はヴァンドゥースの仕事が好きなんだ!」と、ということに気付きました。パティシェが心を込めて作ったお菓子を、自分の気持ち・言葉でお客様に伝えるヴァンドゥース
の仕事が好きで、自分はこの道でお菓子と関わっていこうと決めたのです。

その気持を辻口シェフ(モンサンクレールのオーナーシェフ)に、「もう一度モンサンクレールで働きたい!」と伝えたところ、やはり最初は断られました。それは、自分が一度辞めた人間なのですから当然ですよね。

でも、私はそれであきらめられませんでした。「モンサンクレールで働きたい」という強い想いを、何度もシェフに伝えました。

その気持をシェフが受け入れて下さって、モンサンクレールにヴァンドゥースとして入社する事が出来ました。

そうしてシェフをはじめ周りのスタッフから支えられながら、現在モンサンクレールのヴァンドゥースの責任者を務めさせて頂いています。

ヴァンドゥース...接客・販売のプロフェッショナル
朝早くからスタッフが働く姿が見られる。▲



お店の営業時間には、主に、接客・販売をしています。

また、その他にお菓子の包装・包材の管理や発注・焼き菓子の発送管理・他の系列店
(自由が丘ロール屋、マリアージュ ドゥ ファリーヌ、ル ショコラ ドゥ アッシュ、コンフィチュール アッシュ・和楽紅屋)との連携の調整、スタッフの育成等多岐に渡ります。

特に、イベントや百貨店での催事、お中元、お歳暮の時期には焼き菓子を多く必要としますので、焼き菓子の包装をすることも良くあります。

百貨店催事は最近機会が増えてきました。毎回スタッフが1人赴く事になっています。百貨店では多くのパティスリーが隣り合う中で、どうしたらお客様に関心を持って頂けるかを考えますし、サービス面でも勉強になることが多いですよ。

もちろん私が行くこともありますが、他のスタッフにも百貨店での仕事を経験して新しいことを学んでほしいので交代で担当する体制をとっています。

系列店の中では、特に、自由が丘ロール屋が近くにありますので、お互いに忙しいときには協力し合ってスタッフが手伝いに行くような体制をとっています。もちろんマリアージュ ドゥ ファリーヌ、コンフィチュール アッシュ、和楽紅屋ともよく協力し合っています。

ル ショコラ ドゥ アッシュ
とはスタッフの交換研修を行っています。お互いにお店の特徴や客層、サービスの提供の仕方が異なるので、新鮮でもあり、大変勉強になることも多いです。

こういった協力体制や研修が出来るということもなかなか他店ではできない貴重な体験だと思います。


モンサンクレールでのヴァンドゥースの担当箇所は、大きく分けて3つに分かれます。 「生菓子・焼き菓子」・「サロン」・「ショコラ」での3箇所です。

各スタッフやお店の状況を見ながら毎回担当箇所を決めています。 私は各担当箇所の状況を見ながら、臨機応変に必要な担当につくことが多いですね。

どのスタッフがどの担当につくかでお店の印象もがらっと変わるんですよ。
「人の配置」でお店の雰囲気、仕事がどのように変わるかは現在とても関心があることです。

現在は、全スタッフがどこの担当になっても充分に良いサービスを提供できるように試行錯誤しているところです。


辻口オーナーシェフの系列店・・「自由が丘ロール屋」、「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」、「コンフィチュール アッシュ」、「ル ショコラ ドゥ アッシュ」、「和楽紅屋」 全店舗詳細はこちら
▲新人スタッフに焼き菓子の包装を教える。新人スタッフには、まず包装をしながらお菓子の名前と値段を覚えてもらう。


起床 7:00 
入店 8:30
掃除・準備等 8:30〜11:00
開店 11:00
主に接客・販売

11:00〜13:00

休憩 13:00〜14:00
主に接客・販売 14:00〜
休憩 10分間の休憩をとる
接客・販売・包装等 〜19:00
翌日の準備・清掃 19:00〜21:30
※終了時刻は季節や催事等により変動あり。
モンサンクレールには毎朝開店前からお客さんが並んで待っている。朝一番のお客さんに開店の挨拶をし心を込めて迎えることも鎌田さんの仕事のひとつ。




モンサンクレールには多くのお客さんがいらっしゃいます。そのために常に効率的かつ心のこもったチームワークの体制を整えることがとても大切です。

また、シェフは常に次の展開へと進んでいますので、とにかく仕事のレベルをあげながらそのスピードに付いていくのに必死です。(笑)

そのスピードに付いて行くためにも、製造スタッフとの協力体制・そして各販売スタッフとのチームワークを整えていくことが一番大切だと思っています。

そのために、毎朝全スタッフで行うミーティングとは別に、シェフ・専務・製造責任者とのミーティングを定期的におこなっています。

シェフは毎朝全員で行うミーティングは欠かしませんが、他の系列店舗の管理や取材等も多いために、現場にいる時間は限られています。
そのためシェフには、お客様の声や、スタッフの様子を含めたお店の状況について出来る限り詳しく伝えています 。そして改善点等について話し合います。

また、シェフからは今後の展開や方針についての話を伺います。それを理解し、スタッフに伝え今後の仕事に反映させていきます。

このように、シェフとスタッフとの意識のずれが生じないように常に現状を把握して、「伝える」と言うことを大切にしています。

しかし一度伝えたからといって、スタッフ全員が充分に理解しているとは限らないんですよね。伝えっぱなしではなく、常に状況をみながらスタッフへのアドバイス・フォローを心がけています。

そして、スタッフ全員が、シェフの理想像とする方向を向いて協力しあって進んでいると感じる瞬間本当に嬉しいと感じますね。

▲開店時間の11時が近づくにつれ、次々に商品がそろってくる。開店前には、スタッフに「開店します。」の声がけと、注意点(この日は、「お客様の目をきちんと見て、お客様が望んでいることをくみ取れるようにして下さい。」という事を伝えた)を述べる。




現在自分がヴァンドゥースの責任者として、各スタッフもヴァンドゥースとしての誇りを持って良い仕事が出来るようになって欲しいと思います。

お客様に対して心のこもった気持ちの良いサービスを提供すること、スタッフそれぞれが相手を思いやりながら仕事をすること、効率的に仕事を進めていくこと等、様々な側面で各スタッフのレベルをあげていくことが今後の課題です。

現在は、スタッフに対してどのように働きかけるのがいいのか?どうしたら良いチームワークが作れるか?ということを試行錯誤しているところです。

お店のポリシーに基づく私の考えや気持は、可能な限り伝えています。それでも全てを理解してもらう事は難しいし、その通りに動いてもらうことは更に難しいです。
でも難しいからこそ、スタッフが一体感をもち良い仕事が出来たときには本当に嬉しいです!

このようにスタッフとお店が有機的に良い関係をもつチームワークを作り出す事が私の目標でもあり使命だと思っています。


▲厨房でも、売場でも常に周りに目を配っている。特に製造スタッフは1日中厨房にいるので、お客様の声や売場の状況を伝えることも欠かさない。



この仕事に必要な適性を3つあげるとしたら?

・元気で明るいこと

・相手の立場に立って物事を考えられること

・常に目標をもち続けること

▲ディスプレイは、担当スタッフが責任を持って各自行っている。

この仕事を目指す方へのアドバイスをお願いします

この仕事は、「好きだから」という理由だけでは続けていけません。もちろんお菓子が好きだという気持は大切ですが、体力・精神力がないと出来ないと思います。

また、自分だけの仕事だけに集中するのではなく、常に周囲の人の気持ちも考えて行動すること、協力し合うことが大切です。

そして、常に自分の目標を持ち、目標に向かって貪欲に突き進んで行くだけの積極性が必要だと思います。



<辻口オーナシェフの系列店>
店名 店の形態 電話 住所
モンサンクレール パティスリー 03-3718-5200 目黒区自由が丘2-22-4
自由が丘ロール屋 ロールケーキ専門店 03-3725-3055 目黒区自由ヶ丘1-23-2
ル ショコラ ドゥ アッシュ ショコラトリー 03-5772-0075 港区六本木6-12-4 Roppongi Hills けやき坂通り
マリアージュ ドゥ ファリーヌ ブーランジュリー・
パティスリー
03-5752-1015 世田谷区深沢2-1-10
コンフィチュール アッシュ コンフィチュール専門店 03-5752-1051 世田谷区深沢2-1-10
和楽紅屋 和スイーツ専門店 03-3709-3111 世田谷区玉川3-17-1玉川高島屋本館B1

 

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